単純ヘルペス
疲れ、ストレス、不眠が続く、紫外線に長時間当たるなどして免疫力が低下すると、口や目、陰部などの粘膜の周囲に痛みを伴う小さな水ぶくれができる単純ヘルペスウイルスによる感染症です。
できる部位によって、口唇ヘルペス(熱の華)や陰部ヘルペスなどと呼ばれます。
大人になって初めて感染した場合、高熱や強い痛み
をともなって腫れることがあります。
単純ヘルペスウイルスは一度感染すると神経に潜み、免疫力が低下するたびに皮膚症状を引き起こします。
頻回にくり返すこともあるやっかいなご病気です。
何度もくり返されている方は、皮疹がでる前に違和感を感じ、皮疹の出現を予測できる方もおられます。
症状がでている時には、水ぶくれ中に単純ヘルペスウイルスが増えている状態にありますので、他の人にうつしてしまう可能性があります。
治療
ヘルペスウイルスの増殖を抑制する抗ウイルス薬の内服をおこないます。
抗ウイルス作用を有する外用剤もありますが、効き目が弱いため通常は内服治療をお勧めしております。
水疱がめくれ痛みをともなう場合は、皮膚を保護する軟膏を外用します。
その他の注意点
生活習慣
・疲れやストレスをためないようにしましょう。
・長時間の紫外線暴露を避け、睡眠をきちんととるなど規則正しい生活を心がけましょう。
・皮疹がでているときは、皮疹部への接触を避けましょう。
再発性単純ヘルペスのPIT療法
頻回にくり返す再発性ヘルペスの方にはPIT(patient initiated therapy)療法をお勧めしております。
PIT療法とはあらかじめ処方した抗ウイルス薬を皮疹が出る前の違和感を感じた時点で内服する方法です。
皮疹が出現する前に内服することで、皮疹を生じずに治療できます。
また、内服後に皮疹が出現した場合も軽症で、早めに改善することが多いです。
【用法例】
アメナメビル:1回6錠内服して終了
ファムシクロビル:朝食後と夕食後に4錠ずつ内服(計8錠)して終了
くり返す単純ヘルペスでお悩みの方はお気軽にご相談ください。