イブグリース
当院ではアトピー性皮膚炎治療薬(皮下注射薬)であるイブグリース®(レブリキズマブ)の導入を行っております。
初回2本、2週間後に2本投与し、その後は症状に応じて2週間もしくは4週間ごとに1本ずつ注射を行います。
2025年5月より自己注射が可能となりました。
・半年以上の標準治療でも改善しない中等症以上のアトピー性皮膚炎のかゆみ、皮膚炎でお悩みの方に治療適応があります。
・イブグリース®は、IL-13をブロックする抗体製剤です。
・アトピー性皮膚炎において重要な役割を担うIL-13の働きを抑制することで、皮膚炎や痒みを改善します。
イブグリースは半年以上の標準治療で改善に乏しい中等症以上のアトピー性皮膚炎の方に適応のある抗体製剤です。
*既存治療で効果不十分な成人アトピー性皮膚炎
*12歳以上かつ体重40kg以上の小児で既存治療で効果不十分なアトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎を起こす重要なタンパク質のみをターゲットにした治療ですので、比較的安全性の高い治療です。
*導入が可能かどうかは病歴の詳細と直近6ヶ月間の治療経過をお聞きし、皮膚症状を診察した上で判断させていただきます。
*ご希望の際は必ず診察を受けていただき、診察後に導入の日程を相談させていただきます。
*標準治療を行っているにもかかわらず症状が悪化したり、中等症以上の症状が続いている方に適応になります。
*直近の6ヶ月間で標準治療を行っていない方(定期的な皮膚科への受診歴がない方)は適応がありません。
・中等症以上のアトピー性皮膚炎のかゆみ、赤みでお悩みの方に治療適応があります。
・イブグリース®は、IL-13をブロックする抗体製剤です。
・アトピー性皮膚炎において重要な役割を担うIL-13の働きを抑制することで、皮膚炎や痒みを改善します。
イブグリースの特徴
・IL-13への親和性が高く、長めの半減期(21.3日)を有する製剤です。
・2週間に1度の投与が基本となりますが、投与開始から4週間後以降(3回目以降)は皮膚症状が十分に改善した時点で4週間に1度の投与に投与間隔を延長することが可能です。それにより、投与負担ならびに費用負担を軽減することができます。
*最初の16週は2週間ごとに注射を継続する事をおすすめしております。
・年収が高い方は治療費が高額療養費の上限に達しないことがあります。
その際に、イブグリースを4週間に1度の頻度の投与間隔にすることで他の抗体製剤よりも治療費負担を大きく軽減できます。
イブグリースの合併症
*過敏症反応、結膜炎、注射部位の赤み・痛み、ヘルペス感染・寄生虫感染のリスク増加
*ふらつき感、息苦しさ、心拍数の上昇、めまい、嘔気、嘔吐、皮膚のかゆみや赤み、関節痛、発熱 など
イブグリース導入の流れ
*初診時
・アトピー性皮膚炎の診断を行い、皮膚症状から重症度を確認します。
・デュピクセントはEASIスコア16点以上が適用となります。
・直近6ヶ月の治療歴を詳細に問診します。
*直近の6ヶ月間で標準治療を行っていない方(皮膚科の受診歴がない方)は適応がありません
・治療適用がある場合、治療費等ご了承の上、投与開始日を決定します。
(初診時に投与は行っておりません。)
*初回導入時
ご予約は通常の保険診療時間帯(9:30-12:00もしくは16:00-18:00)となります。
・院内で注射を受けていただきます。(初回2本皮下注射)
・院内注射は、医師もしくは看護師が注射を行います。
*2回目の受診時(投与開始日)
・イブグリース®の投与を開始します。初回は2本投与します。
・自己注射の方は院内で30分程注射指導があります。
・デュピクセント®はペン型があります。ペン型は扱い方が簡便ですので、ペン型での使用をおすすめしております。
・院内注射の方は、医師もしくは看護師が注射を行います。
*3回目の受診(2回目の投与日)
・通常の診療時間帯でご予約ください。
・自己注射の方は、1度の受診で3ヶ月分(6本)を処方いたします。
2回目の投与はご自宅にて2本自己注射を行ってください。3回目の投与から2週間に1本の自己注射となります。
・院内注射の方は、2本を院内で注射します。
*4回目以降
・自己注射の方は、処方された注射薬の最後の1本を注射し終わった2週間後に受診してください。
・院内注射の方は、2週もしくは4週毎に1本の注射を継続します。
費用のご負担
・保険診療ではありますが、高額な治療になりますので予めご了承ください。
・自己注射の方は高額療養費制度が適用となる方もおられます。ぜひご活用ください。
・18歳以下の方は子ども医療費助成制度が適用となります。(お住まいの地域により異なりますので事前にお調べください。)
・公務員の方や特定の企業の方は、福利厚生として付加給付金制度をご利用いただける場合があります。お勤め先にてご確認ください
*高額療養費制度をご活用ください。
保険診療は、年収に応じて一月あたりの医療費の上限が決まっています。
年収が多い方は高額療養費制度の上限を超えず、適応にならないことがあります。ご了承ください。
*高額療養費制度は世帯合算も可能です。
同じ医療保険に加入している場合、同一世帯の家族が同じ月に支払った自己負担限度額を合算して申請できる制度です。
【付加給付金制度について】
*公務員の方や特定の企業の方は、福利厚生として付加給付金制度をご利用いただける場合があります。
付加給付金制度をご利用いただける方は、より少ない医療費負担でイブグリース等のお薬を使用できます。
付加給付金制度がご利用可能かについてはお勤め先にてご確認ください。
【子ども医療費助成制度について】
イブグリースは子ども医療費助成制度をご利用いただけます。
お住まいの市によって適用となる年齢が異なりますのでご注意ください。
投与量と投与スケジュール

薬剤費の目安
その他の注意点
・喘息、アレルギー性鼻炎などをお持ちの方は、症状が軽快しても現在治療中のお薬は中止しないでください。主治医にイブグリース使用の旨を伝え、ご相談ください。
・皮膚症状が十分に改善するまでの間は、お薬の外用を継続して下さい。
・スキンケアを継続し、香辛料、お酒の取り過ぎには注意してください。
・睡眠時間を十分に確保してください。体を休め、ストレスを溜め込まないようにしましょう。